ワイナリー訪問記:2023年夏 イナマ Part2
イナマ(Inama)編Part2では、赤ワイン用のぶどうを栽培している畑と、畑に対する取り組みについてご紹介してまいります。
Part1はこちらから
畑
【COLLI BERICI(コッリ・ベーリチ)】
このエリアには40haの畑がありますが、この土地に大きなポテンシャルを感じ、新たに20ha増える予定です。
Oratorio(オラトリオ)
ソアヴェから10~15kmほど離れたコッリ・ベーリチ、オラトリオの畑。
12haの大きな区画にカルメネーレのみを栽培しています。しっかりとした日照が当たり、畑を囲む森から涼しい空気が流れます。
畑ではぶどうの実をつけていないツルを1本ずつ取る作業をしていました。温暖化対策のため葉は取りません。
★この畑のワイン
カルミニウム
オラトリオ ディ サンロレンツォ
Campo del Lago(カンポ・デル・ラーゴ)
オラトリオよりも標高の高い(200~250m)カンポ・デル・ラーゴの畑。日照が強いオラトリオの畑とは異なり涼しい風が吹きます。
ペルゴラ仕立てのメルローは樹齢50年。丘の上のこのエリアに新たに畑を購入しました。
★この畑のワイン
カンポ デル ラーゴ
〈土壌〉
表面は赤土だがその下は石灰岩土壌。オラトリオは赤土が1mほどでその下は石灰岩、カンポ・デル・ラーゴは15~20cmほどと赤土は薄く、その下は石灰岩。
カンポ・デル・ラーゴの新しい畑。カベルネフランを植樹。
カンポ・デル・ラーゴに向かう途中に見えた山肌。巨大な石灰岩がカンポ・デル・ラーゴの土壌地下深くにあります。
イナマの取り組み
〈最新型トラクター〉
イナマが投資したもののひとつがこの最新型の小型トラクター。1台がフェラーリよりも高い価格ですが、これを3台購入しました。このトラクターは畑のぶどうの樹の間を通ることができ、樹を傷つけることがありません。
〈温暖化への対策〉
以下の3つを行っています。
①東向き、北東向きの畑が涼しいため、この向きの畑を購入。
②キャノピーマネージメント(ぶどうの樹の樹勢をコントロールすること)を行う。葉がぶどうを太陽から守るようにコントロールします。
③新しい灌漑設備の導入:以前は地上に水がポタポタ落ちる管を設置する形でしたが、この形だと落ちた水がすぐに熱で蒸発してしまい根まで届きません。よって、地下に管を通すように灌漑設備を作りました。すべての畑に対して行ったため、これも大きな投資となりました。
Bradisismo(ブラディジズモ)の家
Lonigoにあるブラディジズモの家の地下室には、古いヴィンテージのワインを保存する部屋があり、1階はビジネス向けのテイスティングルーム、その上の階には2代目当主のステファノ氏が住んでいます。
ブラディジズモの家の地下の壁も石灰岩
★関連するワイン
ブラディジズモ
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