ワイナリー訪問記:2023年夏 サン・レオナルド Part1

生産者からのライブな情報をもっと伝えていきたい!と思い、開店して早1年…
楽しみにされていた皆様、大変お待たせいたしました。
弊社スタッフがワイナリーを訪問した際に得た、生きた情報をお届けします!

今回はイタリア、トレンティーノ・アルトアディジェ州にあるサン・レオナルド(San Leonardo)編です。

サン・レオナルド訪問

ミラノ・リナーテ空港から車で約2時間でワイナリーに到着。ヴェローナからは車または電車で約1時間。サン・レオナルドはトレンティーノ州AVIO村の、アルプス山脈につながるMonte BaldoとMonti Lessiniの山々に囲まれた谷(ラガリーナ谷)に位置します。
城のような門をくぐると中世の町のような風景が広がっています。
オーナーはアンセルモ・グリエルモ・ゴンザーガ伯爵。
サン・レオナルドは2年連続で「世界で訪問すべき最も美しいワイナリー100」に選ばれており、今年は59位にランクインしたとのことです。
(参考:外部サイト「WORLD'S BEST WINEYARDS」


ワイナリーの歴史
サン・レオナルドの歴史は1000年以上前にさかのぼります。
始まりは6世紀頃、フランスから来た人々が聖レオンハルト(Saint Leonard)教会を建て、それは中世の終わり頃に修道院となりました。修道士はワイン造りの知識を持っており、農業、酪農と共にワイン造りを行っていました。
1600年代からこの土地の管理は、トレントの貴族 グレスティ家(後にマントヴァの貴族 グエリエリ・ゴンザーガ家と婚姻)が管理していました。
1724年に、この土地を愛したグレスティ家が修道院から土地を購入し、グレスティ家自らがオーナーとなりました。


左下が聖レオンハルト(Saint Leonard)


教会にはアンセルモ氏の曾祖母Gemma di Gresti氏が眠っています

別の部屋には博物館のように、1000年ほど前の農具や当時の生活に使っていたものが残されており、ワイン造りに関する文献も残されていました。
Gemma di Gresti氏は、戦争の強制収容所から戻った人々を保護することに貢献した方であります。


当時の農具、耕具が残されており博物館のようになっています


Gemma di Gresti氏の写真(1894年)


1724年から修道院でワイン造りが行われていたという文献が残っています

19世紀にはリースリングや「ボルゴーニャ」(ブルゴーニュ・タイプの赤ワイン)などのワインを “Château St Leonard” の名でオーストリア宮廷に提供していました。

1894年までグレスティ家の手にありましたが、グエリエリ・ゴンサーガ侯爵がこの家に嫁ぎ、ドメーヌの経営を引き継ぎました。

1970 年代後半、アンセルモ氏の父 カルロ氏がワイナリーを引き継いだ際、税金により土地の約半分を売却する必要があるなど、高貴な歴史にもかかわらず、グエリエリ・ゴンザーガ家は経営難に陥っていましたが、カルロ氏の努力により立て直しました。


1870年のラベルデザインを今も使用しています


倉庫には古いトラクターがたくさん貯蔵されていました
父 カルロ氏がコレクションしたものです


Part2では、サン・レオナルドの畑と醸造についてご紹介いたします。
Part2はこちら

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